マンション売却で譲渡所得が出たら児童手当に影響した話|通知書を十数年後に読み返して分かったこと

はじめに
「マンションを売却したら、児童手当に影響することがある。」
十数年前のパンダ母は、そんなことをまったく知りませんでした。
マンション売却と児童手当。一見すると関係がなさそうですが、私自身は実際に児童手当の受給者が変更になり、受給額まで下がるという出来事を経験しました。
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当時は理由が分からず戸惑いましたが、十数年後に確定申告書や児童手当の通知書を読み返し、制度を調べていく中で、当時ならではの「制度の谷間」が原因だったことが分かりました。今回は、その仕組みを詳しく振り返ります。
マンション売却で譲渡益が発生
わが家は子どもの誕生をきっかけに、40㎡のマンションから70㎡以上のマンションへ住み替えました。
購入から約3年だったこともあり、査定額は購入価格より数百万円高く、その価格で売却することができました。
売却後は、不動産会社から教えていただいた「3,000万円特別控除」を利用して確定申告を行いました。譲渡所得は3,000万円に遠く及ばない金額だったため、この特別控除によって課税対象の譲渡所得はゼロになりました。
「無事に確定申告も終わった。」
当時はそう思っていました。
突然届いた児童手当の通知
ところが翌年度、自治体から届いた通知を見て驚きました。
それまで児童手当の受給者だった夫には「児童手当支給事由消滅通知書」が届き、新たに私宛てに「児童手当認定通知書」が届いたのです。そして、受給額は月15,000円から5,000円へと下がってしまいました。
児童手当は、本来であれば子どもが3歳未満の間、月15,000円を受け取れる制度です。私たちの場合、3年間そのまま受け取れるはずが、最後の1年だけ5,000円になってしまいました。
当時は制度をよく理解しておらず、「なぜ受給者が変わった?何が起きたの??」と戸惑ったことを鮮明に覚えています。
なぜ受給者が変わったのか
児童手当は、夫婦のうち所得が高い方(生計維持の程度が高い方)が受給者になる制度です。そのため、ある年の所得を境に、受給者が夫から妻(あるいはその逆)へ切り替わることがあります。
私たちの場合、マンション売却があった年の所得を基準に受給者の判定が行われ、それまで受給者だった夫から、私へと切り替わりました。この切り替え自体は制度上の通常の仕組みであり、珍しいことではありません。
問題は、切り替わったあとの「私の所得」の判定方法にありました。
なぜ5,000円になったのか、当時の制度の"谷間"
私は当時の資料を保管しており、売買契約書・確定申告書・住民税の資料・児童手当の通知書や、あわせて当時の制度や自治体向けの事務処理資料も確認してみたところ、原因が見えてきました。
児童手当の所得判定では、不動産の譲渡所得も合計に含まれます。ここで重要なのが、譲渡所得を「特別控除の前」の金額で数えるか、「特別控除の後」の金額で数えるかという点です。
| 時期 | 譲渡所得の扱い |
|---|---|
| 〜平成29年度まで | 3,000万円特別控除「前」の金額で判定 |
| 平成30年度〜(現在) | 3,000万円特別控除「後」の金額で判定 |
私が受給者に切り替わったのは平成28年度でした。つまり、ちょうど「特別控除前」の金額で判定されていた時期にあたります。
3,000万円特別控除によって確定申告上の税金はゼロになっていたにもかかわらず、児童手当の所得判定では、控除する前の"丸ごとの譲渡益"が給与所得などに上乗せされてしまったのです。その結果、合計の所得が所得制限限度額を超えてしまい、本則の15,000円ではなく、特例給付の5,000円になってしまった、というわけです。
もし今と同じ「控除後」のルールが当時から適用されていれば、譲渡所得はゼロとして扱われ、児童手当への影響はなかったはずです。当時ならではの制度の谷間に、たまたま当てはまってしまったということになります。
「区によって違うのでは?」と思ったけれど
この出来事を振り返っていたとき、「もしかして、自治体によって基準が違うのでは?」とも考えました。
しかし調べてみると、児童手当の所得制限限度額は、児童手当法施行令によって全国一律に定められており、市区町村ごとの裁量による違いはありません。私のケースで起きたことは、居住していた自治体特有の事情ではなく、当時の全国共通のルールに基づくものだったということになります。
売却価格だけではなく、その後の影響も考えておきたい
マンション売却では、「いくらで売れるか」に意識が向きがちです。もちろん、それはとても大切です。
しかし実際には、
- 確定申告
- 税金
- 所得判定
- 各種行政制度への影響
など、売却後に確認しておきたいこともあります。私自身、この経験を通して「売却後の手続きまで含めて不動産売却なんだな」と実感しました。
当時の私は制度を知らなかった
今でこそブログを書きながら制度を調べていますが、当時の私は普通の会社員であり、不動産売却も、譲渡所得も、児童手当の所得判定も、すべて初めての経験でした。
だからこそ、この経験をブログに残す意味があると思っています。
もしこれからマイホームを売却される方がいらっしゃるなら、「売却後には税金だけでなく、利用している制度への影響も確認しておこう」というきっかけになればうれしいです。
まとめ
マンション売却によって利益が出たことは喜ばしいことでした。
一方で、その譲渡所得が児童手当に影響するとは、当時はまったく想像していませんでした。しかもその原因は、平成30年度の制度改正より前だけに存在した、いわば「制度の谷間」だったということが、十数年後に調べて初めて分かりました。
契約書や確定申告書、行政から届いた通知書は、すぐに捨てずに保管しておくことをおすすめします。未来の自分が振り返るとき、その一枚一枚が当時の出来事を解き明かす手がかりになります。
※本記事は、個人の実際の売買契約書・確定申告書・住民税の資料・児童手当の通知書などを見比べながらまとめた体験談です。児童手当の制度や所得判定の方法は法改正などにより変更されることがあります。現在の制度については、お住まいの自治体や最新の公的資料をご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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【はじめての不動産売却、40㎡マンションで学んだこと|一覧リンク】
家を売ることを決意したものの、「何も知らなかった」状態からスタートしたマンション売却体験記です。これからマンション売却をされる方にとって、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
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